COLUMN

愛知県内にも、いろいろな住宅会社があります。施工事例などを見ると、意外と差があることがわかるのではないでしょうか。ただ、その施工事例をみて「美しい」と思うかどうかには、余白を上手く使った空間の創り方が左右します。今回は、その空間美の創り方のコツや、住宅会社の選定の際の見極め方をお伝えしていきます。おしゃれな家を目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、早速美しく見える「余白」のポイントから見ていきましょう。
出典:「北欧スタイル」の家
住宅の写真やモデルハウスを眺めていると、同じような間取りや素材を使っていても「なんだか洗練されている」と感じる家と、「なんかいつものアパートとあまり変わらない」と感じる家があることに気づきます。この差を生み出している要素のひとつが、余白の扱い方です。
私たちが日常で触れるデザインの世界では、建築に限らず「余白」が重要な意味を持ちます。たとえば広告などで見るデザインでも、文字や写真をぎゅうぎゅうに詰め込んだ誌面は読みづらく、適度に空白をとったレイアウトの方が美しく見え、情報も頭に入りやすいですよね。
建築空間も同じで、余白があることで全体の見え方が整い、暮らしやすさや心地よさにもつながります。
1-1. 余白が多いと上質な空間に
出典:キッチンから子どもたちの様子を見渡せる子育てしやすい家
高級ホテルのロビーや、洗練された美術館に足を踏み入れたとき、どこか特別な雰囲気を感じることはありませんか?そこには贅沢に設けられた「余白」が存在しています。
家具や装飾を必要以上に置かず、あえて空いたスペースを残すことで、その空間に入った人の視線が自然と建築の質感や光の演出に向かうようになるのです。
住宅においても同じで、廊下にほんの少し広さを持たせたり、窓まわりなどに余計な飾りを置かずにすっきりと仕上げたりすることで、暮らし全体に上質さを創り出すことができます。余白があるからこそ、住む人の動作や季節の光、家具や照明の陰影などが引き立つのです。
1-2. 物理的な余白と心理的な余白
出典:「大屋根のテラス」のある家
建築の余白は大きく分けて 「物理的な余白」と「心理的な余白」 に分類できます。物理的な余白とは、空間の中に実際に空けてあるスペースのことです。家具を置かずに残した床面や、廊下や吹き抜けの広がり、あるいは縁側やテラスのように機能を限定しない場所がこれにあたります。
一方で心理的な余白とは、目に見える余白ではなく住む人の「心のゆとり」を指します。色や素材の組み合わせによって落ち着きを感じたり、部屋のレイアウトによって安心感・広がりなどを感じたりすることを指します。
両者が調和することで初めて、住む人にとって「美しい」と感じられるのです。
物理的な余白は、実際に床や壁に現れる「空き」のことです。これをどう計画するかで、家の印象は大きく変わります。
2-1. 埋めないスペース
出典:「ホテルライクな全館空調」の家Ver.2
新築の間取りを考えていると、どうしても「せっかくの新築!スペースもできる限り、収納や家具を置いて有効活用したい」という発想が働きがちです。しかし、すべてを埋めてしまうと視覚的な圧迫感が生まれ、結果として暮らしにくい空間になってしまうことがあります。
たとえばリビングにおいて、ソファやテーブルを配置するだけでなく、あえて壁際や窓際に何も置かない部分を残すことで、空間に抜け感が生まれます。その余白は子どもが遊ぶスペースになったり、将来ピアノや本棚を置ける可能性になったりと、暮らしの変化にも柔軟に対応できるのです。
また、玄関ホールや階段ホールに余裕を持たせたりすることも、見た目の美しさだけでなく実用面でもメリットがあります。高級旅館なども玄関を大きくとって、余白をしっかり出しているものです。人と人がすれ違いやすくなったり、季節の飾りを置く楽しみが生まれたりと、生活の質を高めることにつながります。
2-2. 中間領域
出典:「大屋根のテラス」のある家
日本の伝統的な建築には、「内と外のあいだ」に位置する中間領域が多く存在します。縁側や土間・広い軒下などが、その代表例です。これらはまさに「余白の空間」であり、現代の住宅にも取り入れる価値があります。
たとえばリビングと庭のあいだにウッドデッキを設けると、それは単なる外部空間以上の役割を果たします。天気の良い日には椅子を出してくつろいだり、子どもの遊び場になったり、洗濯物を干す実用的な場所になったりもする。明確に機能を限定しないからこそ、多様な使い方が可能になります。
こうした中間領域は「家の広さ以上の広がり」を感じさせてくれます。数値では測れない、ゆとりや開放感を住まいにもたらす重要な余白といえるでしょう。
心理的な余白は、人の感覚や心にゆとりを生み出すための工夫です。物理的にスペースを残すだけでは十分でなく、色や素材、家具の配置などによっても印象は大きく変わります。
3-1. コーディネート
出典:「ホテルライクな全館空調」の家
部屋に過剰に色を使ったり、異なるテイストの家具を無秩序に置いたりすると、どれだけ広さがあっても雑然とした印象になってしまいます。逆に色数を抑え、素材のトーンを揃えることで視覚的な余白が生まれます。たとえば壁と天井を白で統一し、床材を落ち着いた木目で合わせると、家具や窓からの景色が自然に引き立ちます。照明の配置をシンプルにすることで、影のグラデーションが生まれ、さらに奥行きを感じさせる効果もあります。
また、収納計画も心理的余白に直結します。物が散らかっていない状態を保てる収納量を確保しておくと、空間に「視覚的な余白」が残り、すっきりと美しい暮らしを実現できるでしょう。
3-2. シミュレーションを通じて強い間取りに調整
出典:心地よく洗練された「ナチュラルモダン」の家
間取りの計画においても、心理的な余白は重要な要素です。たとえばリビングとダイニングを完全に分けず、あえて緩やかにつなげると、空間に広がりを感じられます。逆に、寝室や書斎などは外部からの視線や家族の動線を適度に遮ることで、安心してこもれる余白が生まれます。
また、日本建築で大切にされてきた「間」の考え方も参考になります。たとえば廊下や玄関ホールなど、移動のためだけに見える空間にも余白を設けると、暮らし全体にリズムが生まれます。目的を限定せず、ただ「間」として存在する空間があることが、結果として心の落ち着きを支えてくれるのです。
心理的余白のある家は、単に便利で効率的なだけでなく、住む人の心を癒し、豊かにしてくれます。だからこそ、住宅会社を選ぶ際には「デザインや仕様」だけでなく、「余白をどう扱っているか」に注目することが大切です。

それでは、上記のような余白をバランスよく取り入れることができる会社の特徴を解説していきましょう。
住宅の美しさや心地よさは、単に広さや豪華さで決まるものではありません。重要なのは「余白」の活かし方です。家具や収納をすべて埋め尽くさず、あえて残したスペースが生活の幅を広げ、住む人の想像力や心のゆとりを支えてくれます。
そして何より、余白のデザインは住宅会社によって大きく差が出るポイントです。仕様や価格だけでなく、「空間に余白を残す設計ができているか」を見極めることが、美しい住まいを実現するための第一歩といえるでしょう。
豊川市にある誠一建設では、パッシブデザインを基本に性能とデザインを両立する設計を得意としています。「余白」のある心地のいい空間づくりが気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。