COLUMN

最近の日本の気候は、異常気象と言われることがもはや「普通」になってしまっていますよね。そんな暑い夏を乗り切るための、空調をどうすればいいのか?特に高性能住宅を考えている方には、要注意なポイントが盛りだくさんな必見の内容となっています。
それでは、早速「空調設計」のポイントから見ていきましょう。

昨今の新築では、一般的な工務店でもZEH水準の断熱性があるとPRしています。10年以上前は、一部の大手ハウスメーカーや高性能特化型の住宅会社しか取り組んでいなかった高断熱も、今や普通となっています。
しかし、ZEH水準もしくはZEH水準を超えるような高断熱住宅で今「夏に室内が思ったより快適じゃない」という問題があちこちで起きていることをご存知ですか?冬は暖房をつけていれば比較的温度が安定しやすいのですが、問題は暑い夏です。
1-1. 断熱性が高いと何が起きる?

高断熱住宅は、家の「保温性」が高いです。断熱材や窓サッシなどを高性能なタイプにすることで、室内の温度を安定化しやすいという特徴があるのですが、一方でエアコンの仕組みと少し相性がよくないのです。
現在の技術・設備市場からみると、一般家庭で「冷房」をする場合はエアコン一択でしょう。壁付けエアコンやビルトインタイプなど様々な形状がありますが、中身としては同じような仕組みになっています。
エアコンは設定温度に到達すると、冷えすぎないように一時停止をします。これを専門用語では「サーモオフ」といいます。このサーモオフ→運転→サーモオフ…を繰り返して、温度を一定に保つような動きをしてます。高断熱住宅の場合はすぐに設定温度に到達しますが、保温性がいいことが原因でなかなか再始動しません。省エネという観点ではいいことですが、ここで何が起きるのか?というと「除湿ができない」ことに直結します。
1-2. 除湿ができない仕組み

エアコンは冷房運転時、室内機に空気を通過させるときに、空気を冷やすことによって空気中に含まれている水分を取り除きます。エアコンの機能にある「除湿運転」は除湿だけをしているわけではなく、設定温度より少し低めに運転して除湿量を増やす制御が一般的です。そのため、除湿器のような動きをしているわけではない点にまずは注意が必要です。
そして、高断熱住宅の場合はすぐに「サーモオフ状態」になってしまうと解説しましたが、「空気を冷やしながら同時に除湿する」という運転機能まで停止してしまうことが問題の原因になります。温度は確かに設置温度に達しているものの、湿度が高いままということが、最近の高断熱住宅では頻発しているようです。
人は温度だけでなく、湿度でも暑さを感じています。海外のリゾート地は湿度が低いから、日本と同じような温度でも快適!と聞いたことはありませんか?それと同じように、エアコンの設定温度である27℃には到達しているものの、湿度が違うだけで快適性への感じ方は異なってきます。
その相関は不快指数という指標で表されており、以下のような表になります。

上記は、縦軸が温度、横軸が湿度となっており、その空間の温湿度で多くの方がどのように感じるか?を表しています。例えば27℃で湿度が70%の場合、「やや暑い」というゾーンになり、人によってはエアコンの設置温度を無意識に下げることもあるでしょう。
愛知県の東三河エリアでは、夏に雨が降っている条件であれば、高断熱住宅でも室内27℃・70%という環境が起こりえます。このような湿度まで考慮して、快適性を事前にシミュレーション・設計をしないと、本当に快適な夏の室内空間は創りにくいのです。

冬は加湿器で湿度を調整できますが、夏は除湿器をたくさん使わない限り空間の湿度を下げることは難しいです。特に高断熱住宅では、このようなエアコンの特性と湿度まで考えた空調・換気設計をいかにするか?で、同じ断熱性能であっても快適性が異なってきます。
しかし、そこまで考え抜かれた高性能住宅は、実は意外と少ないのが現状です。その理由は「空気の世界」は非常に奥が深いからです。今回は空調の話を中心にしましたが、実は空調だけでなく換気や日射、気密性能など様々な要素が絡んで空間の状態を創り上げます。そのため、住宅会社側の建築のプロでも未知の領域が多く、この高断熱住宅ならではの問題(サーモオフ問題)も課題が多い領域なのです。
3-1. 「畳数」で選んでいる空調計画はNG

ここで、新築を検討されている方に、高断熱住宅ならではの快適な空間コントロールを意識している会社かどうか?の見極め方法をお伝えします。
まず、もっとも簡単な見極め方は、エアコンの能力を「畳数」で選んでいる住宅会社はおそらく今回紹介した点に注意している可能性は低いでしょう。現在、家電量販店などで販売されているエアコンの畳数は、もともと無断熱の家を想定した能力設計になっており、今の高断熱住宅にはオーバースペックになります。そのため、家全体のエネルギーを考慮して能力を決めることが望ましいです。しかしこのあたりは日射の負荷や、換気によるシミュレーションまでしっかりしないと、高断熱住宅に適した空調計画を組むことは難しいのです。
特に湿度は、換気に影響する要素が大きく、第1種換気(換気扇で給排気を行なう)か第3種換気(換気扇で排気だけ行なう)かでも大きく状況が異なります。湿度にこだわるのであれば、全熱交換型の第1種熱交換型の換気扇と、空調設計を組み合わせることがおすすめです。
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誠一建設では空調換気設計のプロと連携しながら、今回ご紹介したような失敗が起きにくい配慮を設計に盛り込ませていただいています。ぜひ、真の快適性がある高性能住宅を求める方は、愛知県豊川市の誠一建設までお気軽のお問い合わせください。