COLUMN

本当に寒くない家とは?建築コストとのバランスまで考えた断熱等級のススメ

断熱等級のススメ
 
マイホームは、ご家族の「一生モノの宝物」です。
その家づくりで、私たちが最も大切にしたいのは、冬も夏も心地よく、そして何十年も安心して住み続けられることです。
 
特に「本当に寒くない家」を実現することは、ご家族の健康を守り、毎月の光熱費を抑えるための土台となります。しかし、「最高性能=最高の選択」とは限りません。
今回は、断熱等級の最新基準をわかりやすく解説し、建築コストと快適性、そして将来の経済性をすべて満たす、最も賢い「最適な断熱等級」の選び方をご紹介します。

 
それでは、早速「最適な断熱等級の選び方」のポイントを見ていきましょう。

「最適な断熱等級の選び方」のポイント

  • 断熱等級6が経済的合理性が高く、等級7は性能向上率が約15%に留まるのに対し、初期投資が大幅に増加するため、投資回収が非現実的となるケースが多い
  • 等級6は、暖冷房負荷を等級4から30%以上削減し、冬場も室温を13℃以上に保つ性能があり、家中の温度差をほぼ解消できるレベル
  • 初期投資の回収期間が現実的: 等級5から等級6への追加コスト(約100万円)は、光熱費削減効果(年間約7万円)により、約10年~15年という比較的短い期間で回収が可能であり、家計に負担をかけにくい選択となる
  • 断熱等級6を実現しても、気密性能を示すC値が悪ければ、熱が逃げ、結露やカビの原因となってしまう
  • 等級6の高い断熱性能で冷暖房負荷を最小化し、その上で太陽光発電を組み合わせることで、光熱費を極限まで抑え、初期投資の回収を早める総合的な賢い住宅となる

1. 「寒くない家」の定義と断熱等級の役割

「寒くない家」の定義
 
本当に寒くない家とは、リビングや寝室だけでなく、廊下、トイレ、脱衣所、浴室といった家中のすべての空間で温度差が少ない(温度のバリアフリーが実現されている)家です。
日本の住宅における冬場の健康被害として深刻な「ヒートショック」は、この急激な温度差によって引き起こされます。
高断熱化は、この温度差を解消し、どこにいても安定した室温を保つための最も有効な対策であり、居住者の健康と命を守るための土台となります。
 
1-1. 断熱性能を示すUA値とは
 
断熱性能を示すUA値
 
住宅の断熱性能は、UA値という指標で示されます。
これは、家全体からどれくらいの熱が外部へ逃げやすいかを示す数値で、値が小さいほど性能が高いことを意味します。
このUA値に基づき、住宅の省エネ性能を評価するために国が定めているのが「断熱等性能等級」です。
 
1-2. 新設された断熱等級6と7

 
断熱等級6と7
 
2022年の法改正により、従来の最低基準であった等級4(旧省エネ基準)に加え、新たに等級6と等級7が新設されました。
 
等級6は「HEAT20 G2グレード相当」、等級7は「HEAT20 G3グレード相当」とされ、これらは従来の省エネ基準では考えられなかったほどの高性能を実現しています。
特に等級6は、等級4の住宅と比較して暖冷房にかかるエネルギー消費量を30%以上削減できるとされ、快適性のレベルを大きく引き上げています。
 

2. 断熱等級ごとの費用と削減効果

断熱等級を上げるほど、使用する断熱材の量や厚み、窓の性能(二層ガラスから三層ガラスへなど)が上がり、それに伴って建築費用(初期投資)は増加します。
しかし、長期的な冷暖房費(ランニングコスト)は減少するため、どの等級が最も総合的な経済効果が高いかを判断することが重要です。
 
2-1. 等級5(ZEH基準)と等級6(推奨基準)の差

 
超高性能の壁
 
現在、多くのハウスメーカーや工務店が標準としているのが断熱等級5(ZEH基準相当)です。
この等級5から、さらに高性能な等級6に引き上げるための建築費の追加コストは、一般的な木造住宅で約70万円~100万円程度が目安とされています。
この投資により、年間で約6万円~7.5万円程度の光熱費削減効果が見込まれるため、約10年~15年で初期投資を回収できる計算になります。
 
このレベルの投資対効果は非常に高く、住み心地の改善と経済性の両面で大きなメリットを受けることができます。
 
2-2. 等級6から等級7へ:超高性能の壁
 
超高性能の壁
 
等級6からさらに性能を追求し等級7を目指す場合、窓やドアは最高グレードのトリプルガラス(三層ガラス)が必須となり、断熱材の厚みや種類も最上位のものが求められます。
この等級7への追加コストは、等級6からさらに100万円以上となるケースが一般的です。等級7は等級6よりもさらに省エネ性能が約15%向上しますが、投資額の増加率と比較すると、得られる削減効果の伸びは鈍化します。
 

3. 費用対効果から等級6が最適解な理由

 
費用対効果
 
「性能追求」と「経済合理性」の間には、明確な分岐点があります。
それが、断熱等級6と等級7の境目です。
断熱等級6の性能があれば、冬場に暖房を弱めても室温が13℃を下回ることはほとんどなく、家中の温度差が極めて少なく、快適な住環境が実現します。この快適性は、等級7でもほぼ同等に享受できます。しかし、等級7の超高性能を実現するために追加で投じる100万円以上のコストを回収するには、さらに長い年月が必要です。
 
たとえば、等級6で年間7万円削減、等級7で8万円削減できたとしても、その差はわずか1万円です。初期投資の差が100万円であれば、回収に100年かかってしまいます。
もちろん、これは概算であり地域やエネルギー価格に左右されますが、費用対効果の観点から見ると、等級7は「オーバースペック」となり、多くの場合、投資の回収が現実的ではないと言えます。
 
断熱等級6は、健康的な暮らし、光熱費の大幅削減、そして手が届く建築コストの三点を高水準でバランスさせた、最も経済合理性の高い「黄金比」の断熱基準なのです。
限られた予算を超高性能の等級7に投じるよりも、等級6で抑えた予算を太陽光発電の導入や、住宅ローンの返済に充てる方が、総合的な家計の改善につながると考えます。
 

4. 断熱性能を最大化する「気密」と「窓」

 
「気密」と「窓」
 
どんなに良い断熱材(等級)を選んでも、施工の質が悪く、隙間だらけの家になってしまっては意味がありません。
 
断熱性能を最大限に活かしきるためには、気密性能(C値)と窓の性能に徹底的にこだわる必要があります。気密性能はC値(相当隙間面積)という値で評価され、数値が小さいほど家の隙間が少ない(気密性が高い)ことを示します。断熱等級6を達成してもC値が悪いと、冷暖房された空気が隙間から漏れ、冬は寒く、夏は暑い家になってしまいます。
等級6の性能を確保するハウスメーカーを選ぶ際には、必ず「C値の目標値」と「実測のC値測定の数値」を確認しましょう。
 
また、窓は家の中で最も熱が出入りする(熱の弱点となる)部位です。壁や屋根の断熱を強化しても、窓の性能が低ければ、そこから熱が逃げ放題になってしまいます。断熱等級6の性能に見合う窓は、高性能なLow-E複層ガラス、またはトリプルガラス(三層ガラス)が必須です。
特に、日射の調整や結露防止の観点から窓枠の素材(アルミ樹脂複合サッシではなく樹脂サッシなど)や、外付けブラインドで夏の日射を外部でカットする設計も重要です。
 

5. まとめ

 
高断熱住宅を選ぶことは、単なる「省エネ」ではなく、「健康」「経済性」「資産価値」といった、未来の暮らしに対する総合的な投資となります。
等級6の住宅は、冷暖房負荷の削減、ヒートショックリスクの低減、そして結露によるカビやダニの発生抑制など、多くのメリットをもたらします。
 
さらに、省エネ性能の高い住宅は、住宅ローン減税の優遇や、ZEH関連の補助金制度の対象となりやすいため、金銭面でのメリットも大きいです。
最も賢明な家づくりとは、最高の性能を追い求めるのではなく、手の届く最高の性能を選び、その予算を他の価値ある設備投資に回すことです。
 
ぜひ、この「断熱等級6」と、それを担保する「確かな気密測定(C値)」を、家づくりの必須条件として誠一建設にお気軽にご相談ください。
 

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